今回は、大阪天満・天神橋エリアにある「東茶屋 なかむら」さんをご紹介します。
このお店の特徴はなんといっても大阪に居ながらにして金沢の本格的なお料理が楽しめる日本料理店。店主の中村さんは季節の食材、特に金沢や北陸エリアの食材を厳選して使用。
どのお料理も味も見た目も洗練されており、お店の雰囲気も良いので商談やデート、お祝いの席など、さまざまなシーンで利用したくなるお店です。
東茶屋 なかむらとは
2019年にオープンした東茶屋 なかむらは大阪メトロ千里線、天神橋筋六丁目駅から徒歩5分の位置にある日本料理店。住宅街エリアに突然現れる端正な数寄屋造りのお店はその凛とした佇まいゆえにお店に入る前から期待を高めてくれます。
店内は畳敷きで、靴を脱いで上がるスタイル。カウンター席と個室で構成されており、朱を基調としたあしらいは店主、中村さんの美意識を反映しているかのようです。栓の一枚板を使用したカウンター、竹を一本一本加工して作った天井の間接照明も趣があります。
ご主人の中村氏は石川県出身、神戸の『料理屋植むら』や大阪の『老松喜多川』というミシュラン表彰店で修行され、2020年に独立。今の場所にお店を構えられました。
そんな東茶屋 なかむらは早くも修行元と同じく、ミシュラン2022の1つ星を獲得。これからさらにその名声を伸ばしていくでしょう。既に予約困難店ですが、さらに予約が今後取りにくくなる事が予想されます。今のうちに訪れておくことをおすすめいたします。
金沢料理について
金沢がある石川県は穀物、野菜、水、そして日本海に面しているので豊富な魚介類に恵まれた地域。「治部煮」「鯛の唐蒸し」「かぶらずし」などが料理として有名ですね。
そんな金沢料理とはどういった料理かというと、江戸風と京風という東西の影響を受けた郷土料理を伝統の九谷焼や金沢漆器、輪島塗などの器で彩るといったところでしょうか。
東茶屋 なかむらも金沢産の食材を全体の8−9割使用しており、さまざまな美しい器も目を楽しませてくれます。
東茶屋とは
店名にもある、東茶屋の意味をご存知でしょうか?これは金沢になる端正な格子戸の家々が連なる茶屋街のこと。
茶屋街は芸妓遊びなど大人の社交場として栄えた江戸時代からの歓楽街を意味します。金沢の茶屋文化は今も街並みがきちんと保護され残されており、ひがし・にし・主計町(かずえまち)の3つのエリアは観光地として非常に人気があります。
東茶屋 なかむらは基本、コースのおまかせスタイル
東茶屋 なかむらは基本おまかせコースのみとなり、現在は夜のみの営業。(ランチは現在行われておりません。)
店内はカウンター席9席、完全個室6席の構成となっており、お手洗いも別なのでお忍びで食事を楽しむなんてこともできそう。実際にお店を利用される方は接待の他に、ご夫婦やカップルで静かにゆったりと楽しまれる方も多いとのことです。
東茶屋 なかむらのお任せコース
東茶屋 なかむらのある日のコースをご紹介します。もちろん季節の食材を扱われるので、シーズンによってコースの内容は異なります。(今回ご紹介するのは2022年8月のコース)
コースは33,000円〜(サ別、季節によって変動あり)となっており、これに日本酒や焼酎、ビールを合わせて楽しむのがおすすめです。
ある日のコース内容
※コースメニューは季節・日にちにより変わります。
- 先付け 新銀杏 毛ガニ玉〆
- 向付 あこう 赤いか
- 進肴 蒸し鮑
- お凌 赤うに寿司
- お椀 クエ 新蓮根葛餅
- 焼肴 鮎風干し 蓼酢
- 箸休め 大阪千両茄子揚げ浸し 白酢 アーモンド
- 炊合せ 鱧 黄ニラ
- 飯 岩がきフライ
- うなぎタレ焼き 木の芽
- 手打ち蕎麦
- 水物 マスカット大福
能登の鮑、七尾の牡蠣、金石の加能ガニ、香箱ガニ..旬の石川を味わおう
今回は夏でしたので、鱧や牡蠣がコースに組み込まれていましたが、冬はこれぞ、金沢の味!という感がある香箱ガニを味わっていただきたいです。
香箱ガニは北陸地方で獲れる雌のズワイガニのこと。茶色の外子(そとこ)と呼ばれるつぶつぶの卵、そして味噌の部分であるオレンジ色の内子(うちこ)を持つ。小さな分だけ味わいは濃厚で旨味もたっぷり。11月頭から年末ごろまでと旬が短いので要注意です。
①能登の毛蟹と新銀杏の玉締め
玉締め(たまじめ)とは締め玉子、湯どり玉子ともいい、卵に具を混ぜて、湯かだしの中に流しこんで固めること。茶碗蒸しをイメージしていただくと良いです。
夏の能登の毛蟹を玉締めにし、季節の新銀杏を薄くスライスしたものが合わせられています。見た目も非常に爽やかで夏が感じられる逸品です。
実際にいただいてみると新銀杏は苦味やえぐみがほとんどなく、かといって風味が失われておらず、濃厚な毛蟹の味に負けない味わいを持っていました。もちっとした新銀杏の食感がとても良かったです。
②能登の羽咋産の岩牡蠣【箸休め】
能登半島の西の付根に位置しする羽咋(はくい)産の非常に貴重な岩牡蠣です。目の前に出された時にまず驚いたのがそのサイズ。
非常に立派で厚みがあり、箸で持ち上げてみるとぷるぷると弾力がすごいです。
味わいは、、とにかく濃厚の一言。クリーミーな食感と濃厚な旨味、すっきりとした後味がたまりません!ポン酢と浅葱と茗荷が爽やかさを加えていてとても美味しかったです。
③加賀橋立 のどぐろ【お腕】
金沢料理のなかむらさんらしい、非常にシンプルかつ技巧が凝らされたお椀です。地の のどぐろを炭で焼き、その上に蓮根の葛餅(葛で練ったもの)、そして蓮根をスライスして蒸したものが載せられた、華やかなお椀です。
ノドグロの油の旨味、蓮根の葛餅のもちっとした感じ、上にのせた蓮根のシャキシャキ感のコントラストが素晴らしいです。
全体的に上品な味わいでありながら、箸を進めていくにつれ色々な旨味に気づいてくるのが楽しかったです。
④由良うにのお寿司(御凌ぎ)
次は御凌ぎ(おしのぎ)です。人気がありすぎ、かつ貴重な由良うにのお寿司です。2022年は大阪の一件の魚屋さんしか取り扱いがなかったとか。。それを味わえるなんて贅沢ですね!
新鮮な由良うには新鮮なので甘く、とろけるような食感。これはたまりません。添えられれた愛知県の伝統野菜、十六ささげ(じゅうろくささげ/いんげん豆に近いお味)とワサビがさらに由良うにの味を引き立てます。
⑤蒸し黒鮑
このサイズ、見ただけでインパクトが伝わると思います。こちらも能登産の最上級の大黒鮑(アワビ)となっており、なかなかこのサイズはお目にかかれませんよね。
14時間じっくりと蒸されており、旨味が閉じ込められていながら口に運ぶと柔らかく、、至極の味わいでした。
【お持ち帰り】特選うな重が自宅で楽しめる
いかがだったでしょうか。今回はその日のコースの一部ですが、東茶屋 なかむらさんの見るだけで行きたくなるお料理をいくつかご紹介させていただきました。
しかし現在、東茶屋 なかむらさんは非常に人気で予約が取りにくくなっています。そんな中、ぜひなかむらさんのお料理を味わってみたい!という方におすすめの情報です。
それは東茶屋 なかむらさんがコースの中にもよく取り入れるうなぎ。そのうなぎを特選うな重としてお持ち帰りができます。
2日前から予約が必要ですが、あのミシュラン1つ星のお料理がご自宅で気軽に味わえます。ぜひ一度試してみてください。
特製うな重
備長炭で特製のタレをまぶしながら丁寧に焼き上げた天草産の鰻。香り豊かな香ばしさを感じながらも、その国産鰻ならではの身と脂身の甘さを楽しめる一品。
もちろん鰻を支えるご飯は石川県、地元津幡町のコシヒカリ。全てにこだわったうな重です。ぜひお楽しみください。
受け取りの時間に合わせて焼き上げるので一番美味しくいただいてもらうように計算されたうな重のお持ち帰りは2日前からご予約が必要です。
もちろんお店に訪れた際のお持ち帰りもご予約時に伝えていただければご用意いただけるとのこと。お値段は5,000円です。
ご予約は以下のお店情報のお電話からどうぞ。
東茶屋 なかむら
- 予算:34,500円~
- 最寄り:阪急千里線/地下鉄堺筋線 天神橋筋六丁目駅 徒歩6分
- 住所:大阪府大阪市北区本庄東1-25-8
- ディナー:18:00~23:00(水曜日定休日)
- 水曜日
- 電話番号:06-6147-3686