「UNFALO(アンファロ)」独特な燻香が魅力の薪火料理

芦屋の鳴尾御影線沿いは、話題の有名店が軒を連ねる注目の場所。

その中でもひときわ目を引くおしゃれな佇まいのお店が、今回ご紹介する「UNFALO」さんです。

『UNFALO』シェフ前田賢介氏にお話を伺う

シェフの前田賢介氏は元サラリーマン。営業職をこなす傍ら、自炊経験から料理の楽しさや食べて貰える喜びを知り、料理の世界へ飛び込む。

 

本場イタリアへ渡り4年間修行したのち、帰国して東京や大阪、神戸などのレストランやホテルでの経験を重ね、2019年12月「UNFALO」をオープンしました。

お店の場所は、山や海が隣接する兵庫県・芦屋。

 

前田氏の子供たちが芦屋でのびのびと育つ中、身近な距離で自身の頑張っている姿を見てもらいたいという気持ち。また、子供の成長と共にお店の成長も実感できる場所だと思えたという理由で芦屋を選ばれました。

内装にもこだわりが満載。非日常的かつ、街中で味わう自然環境を空間に作りたい思いで作り上げた居心地の良い空間。自然から生み出される食材と融合できる空間や色調には特にこだわったのだそう。

現地イタリアで学んだこと

「イタリア料理の素晴らしさは、郷土を愛し文化をより理解する事。だからこそ郷土料理があると思いました」と語る前田氏。

 

これは日本も同様。日本の土壌で育つ畜産や海産物、農作物には古き良き文化や郷土から培われた風味を纏っていて、出会えた食材、日本の郷土や先人たちの知識や技術に敬意を持ち、一皿一皿料理を作っています。

芦屋という土地で“薪火”を使い、一軒もないオンリーワンの店を作りたいと意気込む前田氏。

 

風味豊かで独特な香りと味わいを楽しむことができる薪火料理ですが、火の状態が逐一変化するため調理の難易度が高いと言われています。

ここで、その薪火を使ったお料理を紹介していきましょう。

薪火を使った前田氏のこだわりメニュー

さわらの薪焼


明石沖で獲れた鰆は薪の燻香によく合い、美味しさを一層引き立てます

 

そこに乗せられた美しいソースは、桜エビ・たまねぎ・根セリを使ったもの。香ばしく揚げた桜エビとの相乗効果がまた素晴らしいです。

口に入れた瞬間に広がる、薪焼の香ばしさ。そこにソースがからみとても美味。

「魚介類は肉より更にうまいマッチングを意識して探している」と話されていました。

明石のタコの薪焼


タコは一度冷凍させ、繊維を砕いて使用するそう。

 

下に敷かれているのはマッシュポテトのクリーム。タコと相性が良いじゃがいもを軽く炊いて裏ごしした練りたてを使用。

上に乗っているのはイディアサバルというスペインの羊のチーズ。

 

じゃがいもとタコを繋ぐのは足し算のパイナップルソース。キャラメリゼした香ばしさと、酸味と甘みがなんとも清々しいです。

パイナップルソースと聞いて、どんな変わった味がするのだろうと思いましたが、食べてみて驚き。見事に調和していて、柔らかいタコの味をより引き立ててくれます。

 

仔羊の薪焼


羊は薪で焼くと肉汁(ドリップ)がこぼれないためジューシーな仕上がりになるそう。見た目にも美しい一皿です。

 

「お客さまが来店する時間に合わせてゆっくりと焼く」という丁寧さ。一番美味しい状態でいただけるのは嬉しいですね。

 

ソースは発酵キウイとマイタケを使用。手前に新玉ねぎの薪焼が添えられています。

見た目からも伝わるジューシーさ。ナイフを入れるとまたその柔らかさを実感。
酸味を感じるソースをつけると、さらにお肉の美味しさを感じました。新玉ねぎの甘みも絶品でした。

香川県から届いた黒毛和牛のサーロインを使った薪焼


薪で焼くことにより、みずみずしく焼き上がる黒毛和牛と和歌山のアスパラ。

 

薪の燻香に負けないように合わせるのは「サルサソース(モレ)」。メキシコのチリ・たまねぎ・トマト・チョコレート・ローストアーモンドなど色々な素材を使用。メキシコでは鳥や豚、牛などにつけることが多いのだそう。

 

薪焼とソースの両方が存在する理想の形に仕上がっていました。

火の状態が逐一変化する薪火。

その“一期一会”な火を通し、いつまでも刺激を持ち合わせる料理人を目指します。

ワイン

お料理の特徴を引き立てるナチュールワインのほか、クラシカルなものも。

ペアリングやグラスワインを、要望に合わせバランスよく提供してくれます。

まとめ

「お客様が一口召し上がったときに、考えるのではなくただ、おいしい!と思ってもらう料理を提供したい」と話す前田氏。

 

今後は今のお店を大切にしつつ、学んだことや経験を活かして自然豊かな地方で薪火レストランの2号店を出店したい、とも話されていました。

確かな目で新鮮な食材を厳選し、薪火で新しい料理を探求する前田氏のコースを、ぜひ一度召し上がってはいかがでしょうか。

 

「アンファロ(Unfalo)」のお店情報

アンファロ(Unfalo)

  • 住所:兵庫県芦屋市大桝町7-9 スコラ
  • 最寄り:阪神芦屋駅、JR芦屋駅
  • 電話番号:0797-62-7751
  • 予約:ディナーコース ¥12,100(消費税サービス料込)、ランチコース ¥8,050(消費税サービス料込)
  • 席数:カウンター6席、テーブル8席
  • 営業時間:ランチ:12:00~
    ディナー:18:15〜、20:00〜(20時ご予約の方は要予約)
  • 定休日:日曜日、月曜日
  • 予算:ランチ10,000円~ ディナー15,000円~

記事執筆