高級割烹 「北新地 纐纈(こうけつ)」を知らずして今の関西の和食シーンは語れない

人気有名店が数多く入る、北新地プレイスビル。

その中でも高級和食・割烹店のトップランナーと評されるお店があります。それが「纐纈(こうけつ)」。

今回は「纐纈」さんに特別に取材を許可していただくことができました。

結論からお伝えすると、「纐纈」さんの何が凄いのか、それは「全てがハイレベル」であるということ。

この「纐纈」さんの「ハイレベルさ」を今回はお伝えしたいので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

「北新地 纐纈」では食材、そしてお料理に全ての人が向き合っている


店主、纐纈欣樹(こうけつよしき)氏の意識の高さ。店内でお料理を味わううちに、筆者はまずこちらを感じ、襟を正されました。

店内隅々までに行き渡った高い意識が訪れるゲスト、そして店内で働くスタッフの食への意識を引き上げます。

いつもなら何気なく箸をすすめるところが、「食材やお料理へ真剣に向き合いながらいただかなくては」そんな気にさせられる空間なのです。

とは言ってもピリついた雰囲気ということではなく、店主纐纈欣樹氏をはじめスタッフの方は非常にフレンドリーなのでご安心を。

高級和食店なので値段はお安くないですが、お料理をいただき、「纐纈」さんで時間を過ごせば、なぜこのお店がファンを多く抱え、高く評価されているのかを理解できるはずです。

「纐纈(こうけつ)」とは


店主、纐纈欣樹氏は広島出身。広島の居酒屋で25歳まで働いたのち、大阪の超有名店・島之内 一陽で10年間、なにわ割烹を学ぶ。

その後、独立し北新地に「纐纈」を開店。「日本酒はもちろんワインや洋酒が好きなのでお客様にボトルを見ていただきながら飲食できる空間を」という想いから北新地プレイスビルに移転され、現在9期目に突入されたということです。

お店はディナータイム、お任せコースのみで構成。時間は18:00〜と20:30〜スタートの二部制。

ディナータイム終了後はワインを中心に楽しめるバーに様変わり。ソムリエ・ソムリエールの方が常在されているので、ぜひ色々とワインやシャンパンのことを聞きながらお酒を楽しんでみてください。

店内は非常に洗練された雰囲気。これは店主 纐纈欣樹氏の「和食とは異なる雰囲気の中で料理を提供することで、少し変わった、皆さんの持つ和食のイメージとのギャップを作りたい」という想いからだそう。

カウンターのみ8席となっており、落ち着いた雰囲気の中でお料理を楽しめます。

素晴らしいお料理をいくつかご紹介

それでは早速、「纐纈(こうけつ)」さんのお料理をコースの中からいくつかご紹介していきましょう。

コースは冒頭でもお伝えしたようにお任せコースのみ。構成は大体7品+ごはんものとなることが多いそうです。

店主 纐纈欣樹氏はお写真NGということでスタッフの方に説明をしていただきながら、お料理をいただいていきます。

スタッフの方の真剣な雰囲気が伝わります。

今回お伺いしたのは12月の初旬。季節やタイミングによってお料理の内容は変わります。

季節のメニューは旬の素材や気になる食材を月ごとにチームで研究、チャレンジし決めていらっしゃるとのこと。

つまり訪れるたびに違ったお料理が楽しめるということですね!これは楽しみ。

その日のおまかせコース例

  • 突き出し
  • おしのぎ
  • お椀
  • 焼きもの/お造り
  • 百合根の丸揚げ
  • きしめん
  • 蟹しゃぶ
  • ごはんもの/手打ちそば
  • デザート

せこかにの半熟卵がけ

せこかにとは子持ちがにや香箱がにとも呼ばれる、メスのずわい蟹のことです。

お料理に使用されているのは、せこかにの本場・柴山港で水揚げされたもの。

ちなみにズワイガニのオスは「松葉蟹」となり、メスはオスの半分ほどの大きさにしかなりません。

しかしメスの蟹、せこかにの美味しいところは、腹部に抱えた成熟した卵巣(外子)と甲羅腹内の未成熟の卵巣(内子)。

この外子と内子をあんかけにして甲羅に詰めた、見た目も美しいお料理がこちら。

外子と内子、特に内子はどうしても火を入れると硬くなりがち。それを絶妙な熱の入れ方に調整してレアに仕上げているので、今まで味わったことがない食感を楽しめます。

味付けは極力押さえ、素材そのものの味を味わいます。

トロッとした内子の甘みと外子のプチプチした食感が魅力ですね。

柳蓮田蓮根のお椀

茨城県の柳蓮田蓮根(やなぎだれんこん)という希少な蓮根を使用したお椀。

上にはその蓮根を薄切りにしたもの、下には1時間以上じっくりと蒸し上げたものが重ねられ、お出汁が張られています。

上の薄切りはさらっとお出しの熱を通しただけ、下は長時間蒸されているので同じ蓮根なのに火の通り方の違いにより全く違う食感や味を楽しめるようになっています。

薄切りはしゃっきりとした食感で爽やかな味わい。対してじっくりゆっくりと蒸された蓮根はほくっと芋に近い食感で甘みが強い仕上がりで非常に美味。

素材の味を活かしつつ、最大限に旨味を引き立てる工夫を感じました。

きしめん

「纐纈」で出されるお料理の中でも定番で人気メニューでもあるきしめん。

卵が絡んだ平打ちの”ぴたぴた”した食感のきしめんに高級キャビアを絡ませていただきます。

キャビアで塩気を出しつつ、和風の麺つゆは出汁がメインで塩気は抑えられており非常に良いバランス。きしめんの旨味がしっかりと味わえるようになっています。

きしめんの食感とプチプチしたキャビアのコントラストも良いですね。

このきしめんは讃岐 鈴蘭の小麦粉麺。素材全てにこだわった逸品です。

しゃぶしゃぶ


メインのお料理の一つ、柴山ガニを使った蟹しゃぶです。

柴山ガニとは知る人ぞ知る、超希少で高級な柴山漁港で水揚げされる松葉蟹のこと。「纐纈」さんではこの柴山ガニを一番に押さえられるそうです。

さっとしゃぶしゃぶにされた柴山蟹は繊維がしっかりとしていながら、身は甘くしっとりとしていてたまりません。美味しすぎる。

見てくださいこの美しく、艶やかな松葉蟹を。

ブランドタグで厳重に管理された柴山ガニ、贅沢の極みですね。

土鍋の白ごはん

「纐纈」さんでは締めとして土鍋ご飯と8種類のおかずを選んでいただくことができます(もちろん全部選んでも構いません)。

これが実に楽しい。

ご飯は島根県、奥出雲の仁田米という最高級のもの。これがどのおかずも合うんです。

個人的にはうなぎのタレ焼きとカレーが非常に気に入りました。

その日のご飯のおかず

  1. マグロの漬け
  2. かに玉
  3. 生カラスミ
  4. 牛しぐれ
  5. うなぎのタレ焼き
  6. サワラ中華蒸し
  7. カレー
  8. ごまさばの混ぜご飯

どうですか?ラインナップを見ただけでワクワクしませんか?

そのご飯のお供がどんなものなのか、どんな風に出てくるのかはお店に訪れた際の楽しみにとっておいてください。

手打ちそば

店主、纐纈欣樹氏による手打ちのお蕎麦です。蕎麦は福井県の今庄の上質な蕎麦粉を使用。

この日は3種類のお蕎麦が用意されていました。

  1. 盛りそば
  2. 鯨と飛騨一本ネギの温そば
  3. 白トリュフそば(トリュフは別途料金)

今回は盛りそばをチョイス。

味わいはあくまでも爽やか。鼻に抜けるそばの香りがたまりません。添えられている辛み大根を絡ませていただくとそばの甘味が引き立って非常に良い。

たくさん美味しいものをいただいた後にいただくお蕎麦は格別です。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は北新地で今、その人気と名声で名高い「纐纈(こうけつ)」さんをご紹介いたしました。

お邪魔したのが12月ということで蟹をたくさん出していただきましたが、季節によっては、のどぐろ、クエや最高級肉、由良うに、手長エビなど旬の高級食材やなかなかお目にかかれない厳選素材が楽しめます。

北新地という場所柄、そしてお値段やお店の雰囲気からどうしても「いろいろと難しい場所なのではないか」とご心配される方もいらっしゃるかと思いますが、そうではありません。

まずはお料理。どのお料理も一つとして手を抜いているものはありません。

器から調理、盛り付けから配膳まで全て計算され神経が行き届いており、満足度が高いです。

また厳選された希少な高級素材をしっかりと味わうことができ、お腹いっぱいになって帰ることができます。今回お邪魔した筆者も、締めのごはんものをいただいている時には「胃袋がもう一つあったらいいのに…」と思ったほど。

そして店主 纐纈欣樹氏のお人柄と料理に向かう姿勢をぜひ体感してみてください。

ゲスト一人一人に向けられる真剣な眼差し、料理への質問に対して真摯に答えられる様、そしてワインをにこやかに勧められている笑顔(ご自身もソムリエの資格を持たれています)、どれもがこの「纐纈」という超人気店に欠かすことができない要素なのだと感じました。

現在予約は”2ヶ月前の月初に専用サイトでのみ可能”となっており、非常に予約が取れにくくなっていますが、ぜひ予約にチャレンジして訪れてみてください。

纐纈のお店情報

纐纈

  • 予算:ディナー 44.000円〜(サ別)※季節や時期により予算は異なります。
  • 最寄り:西梅田駅/北新地駅
  • 住所:〒530-0003 大阪府大阪市北区 曽根崎新地1-10-2 北新地プレイス6A 6階
  • 18:00~/20:30~
  • 定休日:日曜日
  • 電話番号:080-3784-3281 ※現在予約は専用サイトのみとなっています。