店名・住所非公開で1年半の予約待ち、政次由宇氏が見据える次の「食」のステージ

店名や住所、電話番号非公開で1年半以上、予約を待たなくてはいけないお店が大阪に存在します。

店主のお名前は政次由宇氏。ホテル日航福岡や箱根の名門「強羅花壇」を経て、2005年から宮古島のシギラセブンマイルズリゾートで総料理長を務めたすごい方です。

和食を基本としながら、四季折々のさまざまな食材、そして数えきれないほどの調味料を使った変幻自在なスタイルは「不羈奔放(ふきほんぽう)」と評されています。

一言で言うと大胆にして自由なスタイル。その日の食材とその時のインスピレーションで食材に向き合い最適な調理をしていきます。つまり同じ食材でもその日、その時間で味わえる料理が変化すると言うわけですね。

どうでしょう、ワクワクしてきませんか?

政次由宇氏が新しく展開する予約困難店を取材してきました


現在、政次由宇氏のこのお店は冒頭でもお伝えしたように一才の情報を公開していません。つまりこのお店に辿り着こうとするのならば元々政次由宇氏を知っているか、この新しいお店を知っている方にご紹介、同伴していただかないといけないわけです。

それでも1年半以上、予約さえできない状況を生み出しているのはこの飲食店が非常に苦労するこの時代では異質と呼んでも良いのではないでしょうか。

店内の様子も全てここでもご紹介しません。政次由宇氏いわく、「初めてこのお店を訪れた際の感動を薄れてもらいたくないから」とのこと。

このようなお話を聞くと、政次氏が気難しく、敷居の高さだけが目立つお店なのではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

いいえ、そうではありません。お店に訪れると分かっていただけると思いますが、政次氏は非常にオープンでおしゃべり好きな方。ゲストが入った店内はまるでジャズバーのような明るい雰囲気です。

政次氏曰く、「大切にしているのは思いやり。料理を通じて食材や人と出会えることに喜びを感じている」とのこと。

まさにその言葉を具体化したお店だと感じました。

予測不可能。次々と生み出される新しい「食」

政次由宇氏のお料理はその日の仕入れ、そしてインスピレーションにより変化します。つまり全てお任せ、その日次第。

今日ご紹介したものが訪れた際に提供されるかどうかはわかりません。それでもぜひ皆様にお見せしたくなるそんな政次氏のお料理です。

まぐろのねぎり


この日、まずいただいたのが本マグロの中落ちのねぎり。ねぎるとは中落ちを貝殻などでこそげ落としたもののこと。

中落ちは骨の周りになるので旨味が凝縮されており、味もしっかりした部分のこと。この部分を味合わずにマグロの本質は語れませんよね。

ちなみにねぎとろの「ねぎ」はネギではなくこの、「ねぎる」から来ているのを知られている方は意外と少ないかもしれません。

このねぎった中落ちに鹿のサドル部分の燻製を漬け込んだ醤油!をかけて手巻き寿司にしていただきます。このジビエとマグロの組み合わせ、考えつきませんよね。


お味は、もう旨味が刺さる感覚です。さまざまな旨味成分が口の中に広がります。これは美味しい。

アカザエビのソテーと生ウニ

次にいただいたのが、アカザエビ。お店によっては手長エビとも呼ばれていますね。日本近海の深海に住む今、非常に人気の出ているザリガニ類のエビです。

アカザエビを冷蔵庫から出して少し眺めた政次由宇氏、「よし、じゃあ…」と言って調理を始めました。政次氏の真骨頂ですね。

新鮮なアカザエビを半分に割って、丁寧にソテーしていきます。そのソテーに新鮮な高級ウニをこれでもか!と言うくらい盛っていきます。

そして特製のソースをかけて完成。

いや、贅沢すぎる。プリプリのアカザエビの身とミソの濃厚な味がたまりません。それに甘いウニが絡まって至福の味わいに。

ホシエイの肝のお造り


次に出していただいたのはホシエイの肝のお造り。ホシエイをみなさんご存じだったでしょうか。恥ずかしながらグルメライターをしている私は初めて知りました。

政次由宇氏に教えていただいたところ、アカエイの仲間でほとんど流通しない幻の食材とのこと。煮付けも良いそうですが、このホシエイの一番美味しいところは断然、肝。

新鮮なホシエイの肝は正直、人生でいただいた肝の刺身の中でNO.1でした。まさに衝撃。

クセや臭みが一切なく、上品で濃厚な脂が乗っていて。これは人生で一度は食べないと損する逸品と言えるでしょう。

手打ちそば


このほかにもたくさんお料理をいただいたのですが、今回は残念ながらご紹介できるお料理はここまで。

あとは実際にお店に来られることになった際に体感してほしいとのこと。

最後に政次由宇氏お手製の手打ちそばをいただきました。

色々美味しいものをいただいた後にいただく、そばってどうしてこんなに美味しいんでしょうね。蕎麦の香りが立って、するするっと喉を通っていって、いくらでも食べれてしまいます。

このお蕎麦は政次由宇氏のお手製。実際にお店のオープン前に蕎麦を打たれているところをお写真を撮らせていただいています。その様子がこちら


もうこんなのわざわざ言わなくても美味しいに決まっています。

政次由宇氏がこの先に見据えるものとは


残念ながら、政次由宇氏のお店は現在、店名や住所、連絡番号などは全て非公開。メニューや料金などはお知らせできません。

このようなスタイルははっきり言って、異質とも言えるでしょう。

しかしマーケティングやブランディング全盛の時代において全てを明かさず独自の世界を展開、そして守られているのは政次由宇氏という才能があるから成り立っていると言うもの。

訪れるゲストを全力で楽しませ、幸せにさせる政次由宇氏の人柄、そしてお料理をたくさん楽しませていただけて今回は非常に幸運でした。

現在、政次氏は精力的にさまざまな活動をされています。東京の店舗のプロデュースや大阪での芸人さんとのコラボレーション!など。

お料理を通じて広げられる政次由宇氏のワールドの広がりは止まることを知りませんし、これからも「面白いことをしていく」とおっしゃる氏のこれからから目が離せません。

店名非公開

  • 予算:非公開
  • 最寄り:非公開
  • 住所:非公開
  • 電話番号:非公開

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