【鮨 三心】刻まれる、極上のひととき

2016年、大阪谷町五丁目に誕生した「鮨 三心」。その独自の魅力は、ゴ・エ・ミヨの3年連続受賞に加え、ミシュラン一つ星を授与されるなど、多くの評価を受けています。
料理を作るということは想いを作ること。これでいいと妥協しない、ここが限界だと足を止めない。「鮨 三心」がここにある。

三心の由来

道元禅師が説いた料理人への心得から来ています。
喜心・感謝の心。まず食べてくださる方がいること、そして作れる自分の健康や環境があること、そして目の前にその資源があることに感謝しなさい。
老心・親心。食材や調理に使う道具、料理にまつわる全てのものを自分の子供や親を思うように大切に扱いなさい。決して米粒一粒だって無駄にしてはいけません。
大心・色々なことが毎日起こりますが小さいことにとらわれず広く大きな心で料理に取り組みなさい。小さいことも、伏せたくなるものも含めて一つの景色なのです。

鮨職人 石渕佳隆(いしぶちよしたか)

石渕氏は、1978年に熊本県で生まれました
幼少期に父と食事中「うちの子の中の誰かが料理人になってこんな店をもってくれたら、俺は毎日来られるのにな」という何気ない独り言から、その想いを叶えてあげたいと料理人になる夢を抱き、高校卒業後、鮨職人を目指し大阪へ。
20代は鮨だけでなく和食や洋食も学び、30歳からは、大阪の「寿司たいすけ」で9年間の厳しい修行を積みました。この長い修行期間を通じて、鮨職人としての基盤を築き、18歳から21年にわたる学びの旅を経て、独立への一歩を踏み出す決意をしました。想いを持った生産者と出会い、もっと良いものができないかという話になり、米作りを決意。2020年から「三心米」という自身のお店のための米を作り始めました。

こだわり・コンセプト

繁華街で働いていた修行時代。
本当に食事を楽しんでいただける方に足を運んでもらえる場所にしたいと、敢えて住宅地の谷町五丁目に店を構えました。設計は同郷・熊本出身の設計士、一級建築事務所 間工作舎の小笠原絵里先生によるもの。石渕氏自ら、事務所を訪ねて直接設計を依頼しました。
店内は、自然光を最大限に活用し、春にはお客様全員が外の桜を楽しむことができるように、カウンターが斜めに配置されています。鮨が最も際立つ環境を考えた設計で、現在昼営業のみの「鮨 三心」だからこそ成せる「自然光と四季を感じながら鮨を食べられる空間」を演出。
また、食材に関しても妥協せず、地元や故郷の地物を使用し、ブランドに縛られることなく本物の食材を厳選しています。

それでは、「鮨 三心」が提供する魅力的なメニューをご紹介していきましょう。

蟹酢

毛蟹のほぐし身を甘酢漬けにし、凍らせたトマトと、天草の雲丹をたっぷりと織り交ぜた一品は、蟹の旨みを邪魔することなく引き立てる甘み、酸味、風味のバランスが絶品。

鱧の焼きしも

淡路島の玉ねぎをおろしたソースを合わせており、フルーティーで甘みがあり、炭火の香りと食感のマリアージュが素晴らしい。鱧の焼き加減が絶妙で、ソースとの組み合わせが、口に広がる美味しさを際立たせています。

ハーブ巻き

「鮨 三心」の名物。鮨屋は野菜が極端に少ないことから誕生しました。梶谷農園のハーブをふんだんに使用したもので、その断面はとても美しい。鰹節がアクセントになっていて、口いっぱいに広がるハーブに酔いしれる見た目にも美しい逸品。

新いくらの醤油漬け

輝くいくらの濃厚さと優しさが楽しめます。絶妙な仕込みが施されており、食べるたびに驚きと感動が広がります。
想像するいくらとは違い、ナチュラルで卵本来の濃厚さと旨味、コクを上品に味わえます。

とろ漬け

とろ漬けは、口に運ぶとすっと溶ける上品な脂と、小粒なシャリのバランスが絶妙で、その美味しさに言葉を失うほどです。贅沢な味わいが広がり、鮨職人の熟練の技術が光る一貫。

春子

鯛の赤ちゃんである春子は、肉厚なのに身がほわっと優しく、白身の鯛とは思えないほどの溶けるような食感が魅力です。その口当たりと味わいに鯛の新たな一面に出会えることでしょう。

白甘鯛

白甘鯛は、口にした瞬間の食感、甘み、そして魚の本来の旨みを存分に感じることのできる、あらゆる面で最高の一貫です。

新子

酢と塩で仕上げた一貫。しっかりと効いた酢。塩と酢で〆たものは水分が抜けがちだが、しっとりとした舌触りに良質さと技を感じることができます。

玉子

まずは、その独自のビジュアルに驚きます。オープン当初から幾度となく進化を遂げてきました。卵黄とお酢が絶妙に組み合わさり、黄味酢おぼろが玉子の中に仕込まれています。その結果、甘みが非常にやさしく、厚みの割にぷるんとした食感が感じられ、塩がアクセントとなっています。
石渕氏は、ソムリエの資格を持ち、ワインのみならず、多様なドリンクにも造詣が深い方です。お客様から景色の邪魔にならないよう、掘り下げたボトルクーラーを備えるなど細部まで行き届いた配慮も。
また、店内には資格認定バッジが控えめに配置され、遊び心のある雰囲気を醸し出しています。「鮨 三心」では料理だけでなく、高品質なサービスにもこだわりを持ってこうした配慮が行われています。

「刻家(ときや)」

茶の間「刻家(ときや)」は、2020年に隣にオープンされた待合室兼食後のデザートを楽しむ特別な空間です。
「待っている時間さえも楽しめたら」「せっかく三心のためにここまで来てくれたのに食べたらすぐに別れてしまうのは寂しい」という想いから作られています。
そこは三心への期待で胸を膨らませる場所であり、余韻を楽しむ場所であり、そして三心へと続く道です。古き良き時代の温もりと現代の調和が結びついた癒しの空間。
お土産にいなり寿司を持ち帰ることができます。そして、甘味を楽しむ際には、石渕氏の直筆メッセージと絵が添えられています。「鮨 三心」では、帰宅しても、余韻を感じることができるのが特別な魅力です。
細やかな配慮や、お土産のいなり寿司、石渕氏のメッセージと絵が、訪れた方々に深い印象を残し、再度訪れたいという理由の一つになっていることでしょう。食事だけでなく、心に残る体験を提供する場所として、多くの人々に愛されています。「まずは鮨や物事の基本を理解したうえで、意味を持たせた選択や料理をしていきたいと思っています。決して鮨の美学を崩さずに新しい世界を作っていく。本質を磨き自分なりの本物を、感動を、そんな鮨を追求していきます。」
飛躍し続ける「鮨 三心」から目が離せません。
石渕氏の想いとお料理、一貫一貫を五感で感じてみてください。

鮨 三心のお店情報

鮨 三心

  • 最寄り:大阪メトロ 谷町六丁目駅より 徒歩6分
  • 住所:大阪府大阪市中央区内久宝寺町2-7-14 
  • 営業時間:11:30~、14:00~一斉スタート
  • 定休日:不定休
  • 予約制:OMAKASE (毎月1日AM8時〜翌月分のみ受付)電話予約枠はInstagramをご確認ください。
  • 席数: カウンター8席
  • 予算:30,000円前後

記事執筆