「Restaurant Koke」水ゆらぎ火をともす旬のあじわい

京都の水と間伐材の薪火で表現する、沖縄文化を反映させたイノベーティブレストラン「Restaurant Koke」をご紹介します。

Restaurant Kokeの由来

由来は2つあり、「K」お店を構える地kyoto、「o」シェフ中村有作の故郷であるokinawa、「k」師匠であり修行先であったcasentoのある地kobe、「e」スペイン料理からespañaというなんとも粋な造語。また、植物の苔には「信頼」という花言葉があり、生産者さんや師匠との信頼を大切にしたいということからつけられています。

「Restaurant Koke」シェフ中村有作(なかむらゆうさく)氏

沖縄の学校を卒業後、東京のエディション・コウジ シモムラで4年、神戸のcasentoで5年修行。東京の名店Marutaにて立ち上げから2年半ほど携わった後、現在のKokeを開業。
当時31歳にして、開業から半年でミシュラン一つ星を獲得されました。

「水と炭」の調和 自然と共存するレストラン

全てのお料理に地下水と薪と炭の火を使用しており、ロゴの上下には火と水があしらわれるなど、この二つの要素がお店の料理の鍵となっていることを象徴してます。
そして、それがデザインされているところに、独自性やセンスの良い遊び心も感じられます。東京の名店Marutaで自然との共存を体感し、都会ではできないようなレストランを自身もしたいと、現在の土地に開業されました。京都の美しい水、そして森から採れた間伐材を熱源とした暖炉で調理するコース料理を、落ち着いたサービスと共にお楽しみ頂けます。また沖縄の食文化を取り入れたタパスや、現地から直送している新鮮な食材も魅力のひとつ。洗練された店内の雰囲気と暖かみのある薪と炭によるプリミティブなコース料理を楽めるお店となっております。

本日のメニュー

では、そんな魅力溢れる”Restaurant Koke”が織り成すメニューの数々をご紹介していきましょう。

TAPAS

ずらりと並べられたTAPASが美しく配置されており、その魅力的なアレンジに心が躍ります。

アンチョビ サンド

スペイン産のアンチョビとキャラメルのサンドは、沖縄スクガラスの塩漬けとサクサクとしたサブレの食感が絶妙。
真昆布のサブレには、竹炭でスタンプした魚があしらわれています。魚は沖縄では子孫繁栄など縁起がいいとされており、愛らしいだけではなく、作り手の想いも込められています。

ニシン 

ジュニパーベリーを使用し、赤酢で〆られていますが、マイルドなあじわい。
そして沖縄産あおさの酢の物は優しい口当たり。大葉や燻製オイルがアクセントになっており、飽きのこない美味しさです。

黒豚のサブレ

ペコリーノチーズと、イカスミを練りこんだサクッとしたサブレは、目にも楽しく食べても美味しい逸品。
スペイン産のソブラサーダというサラミは風味と旨みが少量でもしっかりと感じられ、卵黄のソースに黒ごまとマスタードペーストも、程よく塩味が強いのでお酒との相性も抜群です。

国産24ヶ月 熟成生ハム 剣先イカ

口に運ぶと、予想を超える感動が広がります。ローストアーモンドのサクッとした食感と、後から静かに迫る唐辛子の麻辣感が癖になります。ソースには大徳寺納豆とパプリカが巧みに組み合わされ、まさにあじわいの深みを感じさせる逸品でした。

マンダリンオレンジ ジーマーミ豆腐

一見ガスパチョのようですが、トマトとマンダリンオレンジの酸味がしっかりときいてフルーティー。ジーマーミ豆腐の少しザラっとした口当たりと、滑らかさ、そして風味のよさに酔いしれます。オリーブオイルの刺激がコントラストになっていて絶品でした。

トウモロコシのガスパチョ

トマト水は一晩熟成させた後、丁寧に濾過され、純粋な透明色になります。そこに微かに香る泡盛が、一風変わった風味を醸し出しています。驚くのは、トウモロコシの甘さが繊細に絡み合い、まるでスイーツのような絶妙なあじわいを生み出している点です。

グリーンオリーブ

まるでお店の名前『koke』を体現するような、愛らしいまりもを彷彿とさせるビジュアル。この遊び心に満ちたプレゼンテーションは実に魅力的。ドライトマトがピクルス風にアレンジされており、レーズンやプルーンを思わせる独特の食感が舌の上で広がり、その美味しさに心が満たされました。

富山海老 すぐき おぼろ昆布

立派な富山海老は、遠赤外線で絶妙に火を通され、ほどよいレア感が印象的。おぼろ昆布のシートは、その模様が美しいだけでなく、エビの殻を粉砕した独特のパウダーや、玉ねぎの爽やかなシャキシャキ感、ホワイトバルサミコとすりおろしたわさび、ディルといったアクセントが、舌の上で複雑に絡み合い、様々な風味が楽しめます。
また、濃度調整した地下水で作られたソースは、まさにkoke独自のアプローチを象徴しており、センスを感じさせる一品でした。

ルートビア

カカオバターの球体に、root beerが仕込まれており、一口に頬張ると中からroot beerが溢れ出します。これは味わったことのある方にしかわからない、表現のできないもの。添えられたターメリックの塩ちんすこうと共にいただいてみてください。那覇市のマンホールの柄をモチーフに、オリジナルで作成された器も見どころの一つです。

ビーツ ホエイ 松

じっくりと燻製されたビーツは、ぎゅっと旨みが閉じ込められていてとってもジューシー。六甲の弓削牧場さんのホエースープに、レモンバーベナ、ごぼうとトリュフの風味が絶品。
フランスのフレッシュチーズもやさしくて、一口食べるごとに味が変化してとっても楽しめました。ペアリングしていただいた松ぼっくりジュースの香りが、アロマのようで癒されました。
お料理に合わせてビーツで色付けされているセンスもとても素敵です。

七谷鴨 奈良漬け

通常50日で出荷される鴨肉。50日をオーバーする大きな鴨は脱水後、蜂蜜を塗って焼き上げられており、臭みがなく瑞々しい。付け合せは、奈良漬を玉ねぎと合わせペーストにしているため、口当たり良くあじわい深いお味でした。

Kokeの味を支える自家製調味料

Kokeで使われる自家製調味料は、地下室で丁寧に貯蔵・熟成発酵されています。
この特別な調味料こそがKokeの料理の味を際立たせ、他店とは一線を画す独自の味わいを創り出しています。

ワインやこだわりのドリンク

自家製のシロップで作られるノンアルコールペアリングも人気。
一つ一つ丁寧に洗練されており、他にはない香りと余韻に酔いしれます。右から
「台湾山胡椒のオレンジエイド」摘果柑橘や温州みかんを使ったシロップに生の台湾山胡椒をあわせたもの
「パルセレール ブラン&ソーヴィニヨン」黄金比に合わせてブレンド比率を考慮し、アンフォラと古樽を組み合わせた長い余韻や塩気があるふくよかな白ワイ白桃や柑橘、ハーブの涼しげなアロマに、ミネラル感と冷涼感のバランス感覚は爽やかな夏の食材に絶妙にリンクします。
「Makalieのファーストヴィンテージ」極力自然をリスペクトしたワイン造りを行う、ドイツの南部バーデンにおける新進気鋭の生産者Makalie。
2020年は彼らの記念すべきファーストヴィンテージで、Spätburgunder100%で造られる単一畑Chapelleは年間生産本数わずか450本の激レアアイテム。

まとめ

いかがでしょうか?
驚きと感動をもたらし、数々の魅力に溢れるRestaurant Koke。
水ゆらぎ火をともす旬のあじわいとともに、特別なひとときをお過ごしください。

Restaurant Koke」のお店情報

Restaurant Koke

  • 住所:京都府京都市中京区蛸薬師287 ido 1F
  • 最寄り:地下鉄・烏丸御池 徒歩5分
  • 電話番号:075-223-5055
  • 予約:電話またはウェブ予約、毎月一日に翌月末まで予約可能
  • 席数:カウンター7席、テーブル8席
  • 営業時間:火曜~土曜 ディナー営業(18:00/18:30)
    金曜~日曜 ランチ営業(12:00/12:30) 日曜日のランチタイムはディナーコースでご用意
  • 定休日:月曜日
  • 予算:ランチ13,000円~ ディナー22,000円~

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