江坂 朙(メイ) 魅惑の隠れ家で極上の中国料理

中国の歴史と伝統を感じさせる洗練された非日常空間。
今回は、2007年に「清粥小菜 明」をオープンし、2021年4月にリニューアルされた
「朙(メイ)」さんをご紹介します。

大阪・江坂の静かな街角にある、まるで隠れ家のような看板のないお店。
このお店は写真撮影・SNSがNGで、1日2組限定、完全紹介制のため看板もありません。
だからこそ、料理と空間に心ゆくまで集中し、味わい深いひとときを過ごせます。

朙(メイ)の由来

店名の「朙」は、夜が明ける瞬間や月光が窓から差し込む様子
オーナーの内田法明氏が「私に関わる全ての人が明るい未来に向かって歩んで行けたら」という思いを込めて名付けました。

開店への思い

まだまだ知られていない中国料理はたくさんあるので、その素晴らしさをお客様と共有したい。
東京の有名ホテルから小さな個人店まで、全国各地で修行。
特に、香港の老舗高級レストラン「福臨門」の点心師とマンツーマンで2年間勉強したことが一番の財産だとお話ししてくれました。
四季折々の気が宿った旬の日本食材を使い、中国料理の技法を駆使して美味しさを引き上げる。
14年間の修行で学んだことを更に進化させ、お客様に喜んでいただける料理を提供したいという思いで、このお店を開店されたそうです。

内田法明氏のこだわり

こだわりの空間で非日常を体験
日本の茶室からインスパイアされた店内
日本の茶室をイメージして創られたこの店内では、暖簾をくぐると、日常の世界から幻想的な異空間へと誘われます。
外食とは、晴れの日の特別なひととき。
暖簾をくぐることで、日常から結界を超え別世界への入り口へとアプローチしていただきます。
そして、扉を開けると非日常の別世界が広がります。

茶室で楽しむお茶も、かつては中国から伝わった文化。
天井の網代周りには、縁起の良いとされる竹が使用されています。
中国では、竹は一年中青々として枯れることがないため、不屈の忍耐力と決して腰を折らない節操を象徴しています。
店内のカウンターには、樹齢300年の北海道産の栓(セン)の一枚板が使われており、床の間には檜の無垢材が贅沢に使用されています。
これらの素材が、繊細で洗練された空間を演出しています。
天井の網代も中国から伝わった文化と内田氏のこだわりが至る所に感じられ、美しさと独創性が息づいています。
日本の茶室の精神と中国の文化を感じながら、心ゆくまで非日常のひとときをお楽しみください。

-朙のお料理-

季節や月ごとに変わるお料理を、いくつかご紹介していきましょう。

兵庫県津居山の松葉蟹入り広東粥

1.4kgの松葉蟹を贅沢に使用した広東粥。
兵庫県津居山でとれる松葉蟹は、日本屈指の高級食材として広く知られています。
この地で水揚げされる松葉蟹は、独特の風味と食感が評価され、世界中の美食家にその名が轟いています。
滑らかな舌触りが特徴で、松葉蟹の鮮やかな旨みと相まって、心を潤す絶品の一品となります。
松葉蟹を贅沢に盛り込んだこの広東粥は、まさに究極のコラボレーション。
ふわふわの蟹の身と粥が絡み合い、口に運ぶと贅を極めた上品なお味に思わずうっとりしてしまいます。
そして、この極上の味わいをさらに際立たせるのが、搾菜。
搾菜が放つ程良い塩味と食感は、松葉蟹の繊細な味わいを引き立てるばかりか、搾菜の独特な香りと食感が絶妙にマッチ。
そのままでも充分に美味しいこの広東粥ですが、さらに味の幅を広げるために自家製潮州辣油を添えてあります。
辣油が放つぴりっとした辛みが絡み合い、一度で二度、三度と味を楽しめます。自家製の辣油と搾菜は、お土産として購入することも可能です。(1,400円)

北京ダック

美味しさと美しさが両立した絶品北京ダック
まず初めに目を惹く、美しい北京ダックの姿。
その艶やかな色合いと香ばしい香りに、思わず見とれてしまいます。
皮がパリッとした食感が特徴で、深いコクと旨みが味わえます。
噛むとじゅわっと広がる濃厚な旨みがたまらない。
口に入れると幸せな気持ちに包まれます。
皮は非常に薄く野菜と一緒に巻いて食べることでむっちりとした皮と胡瓜の食感、まさに絶妙なバランスの味わいが生まれ一度食べるとクセになります。
甘くて深みのある北京ダックは、美味しさと美しさが両立した、まさに至極の逸品です。

能登半島輪島産 黒鮑の中華風冷菜

能登半島輪島産の黒鮑は、日本海に面した石川県輪島市で獲れる高級食材です。
そのコリコリとした歯ごたえと豊かな旨みが特徴的で、こだわりの器とのコントラストが美しく、厚みや弾力、火入れも絶妙。
野菜のシャキシャキとした食感と黒鮑のコリコリとした歯ごたえがマッチし、山椒を加えることで爽やかさがプラスされ、さらに美味しさがアップします。

名物フカヒレステーキ特製白湯ソースがけ

一度味わったら忘れられない贅沢な逸品
大ぶりなフカヒレステーキがカリッと焼かれ、切り分ける際のサクサクとした音が心地良い。
この絶品フカヒレステーキの真骨頂は、特製白湯ソースがフカヒレの美味しさを最大限に引き出してくれる点にあります。白湯ソースは濃厚でコクがありながら、青ネギの風味が加わることで、深みのある味わいが楽しめるのです。
一口食べると、白湯ソースは濃厚でトロトロ、フカヒレ独特のもちもち感と青ネギの風味が広がります。
この白湯ソースのコクと相まって、豊かな味わいが生まれます。
さらに自家製潮州辣油を加えることで、辣油のピリッとした辛みがアクセントとなり、味わいが一層豊かに。
一度味わったら忘れることができないほどの美味しさで、食通たちをうならせること間違いなしです。
この至高の一皿は、上質な食材と技術、そして熟練した職人技が織りなす料理の芸術品と言えるでしょう。
贅沢な食体験を求める方には、ぜひお勧めしたい至高の一品です。
朙の名物、このフカヒレステーキ特製白湯ソースがけを味わうことで、あなたも感動に包まれること間違いありません。

長崎県 対馬産のどぐろ紅瞳の酒蒸し 特製醤油がけ

日本の高級魚として名を馳せる『のどぐろ』。
その中でも、まさに別格とされる滋味あふれる『のどぐろ』が、長崎県対馬市の限られた海域でのみ獲れるブランド魚「紅瞳」です。
『紅瞳』は、改良されたはえ縄漁法である「地獄縄」という仕掛けを用いて丁寧に釣り上げられます。
対馬海流の恩恵を受け、豊富な餌を食べて育ったことで脂ののりがよく白身のトロとも称される極上の味わいが特徴。
赤く輝く瞳からその名がつけられた『紅瞳』は、まさに美味の証。
そんな『紅瞳』を贅沢に一匹まるごと使い、中国料理の伝統的な調理法「清蒸」で仕上げます。
「清蒸」は、蒸篭を用いた蒸し調理法。じっくりと蒸し上げることで魚の旨味と脂が最大限に引き出され『のどぐろ』は、煮ても、焼いても美味しいお魚ですが蒸し上げることで、柔らかくしっとりとした食感が生まれ、口の中でとろけるような感覚が楽しめます。
そして、ここで登場するのが香り高いパクチー。
その独特の香りが、特製醤油と見事にマッチし、脂がのった身に特製醤油のコクとパクチーの風味が絶妙に絡み合い『のどぐろ』の美味しさをさらに際立たせます。
まるで芸術のような味わいに食通たちも感嘆の声をあげる、至福の味わい。

厳選のワインとシャンパン

美味しいお料理と共に素敵なワインやシャンパンをお楽しみいただくことで、さらに感動的な食体験が待っています。

まとめ

暖簾をくぐるとシックな壁には花瓶とお花が飾られており、店内は落ち着いた空間。こだわりの器とお料理に魅せられ、束の間の非現実と幸福に包まれてみてください。
お料理はもちろん、内田法明氏のお人柄と魅力に誰もが惹き込まれます。
訪れる人々を魅了し知る人ぞ知る中国料理の名店「朙(メイ)」
中国料理の名店を語る上で欠かすことのできない存在です。

朙のお店情報

  • 予算:ディナー¥40,000円~(税サ別) 季節により変動あり
  • 最寄り:地下鉄 江坂駅
  • 住所:大阪府吹田市江坂町1-21-39 土泰第1ビル
  • 予約制:※完全予約制 1日2組の紹介制
  • 電話番号:06-4861-7228

食レポ担当