芦屋 永来権(エラゴン)焼き鳥・鶏料理にとことん向き合うこだわりの名店

京阪神には多くの名店、有名店がありますが、こちらのお店を外して焼き鳥・鶏料理を語ることはできません。

今回ご紹介する予約困難店は芦屋にある永来権(えらごん)さんです。

宮崎日南の鶏を使用したこだわりの焼き鳥、これから皆さんに一部お見せしていきますが、写真を見ただけでも行きたくなること間違いなしですよ!

永来権(えらごん)の店主 渡辺寛大さんにお話を聞く

永来権(えらごん)店主、渡辺寛大氏は宮崎の鶏に魅せられお店をオープン。試行錯誤の上、鶏料理屋、そして今の焼き鳥中心のスタイルに2017年に行き着く。

「シンプルに鶏肉が好きだから」

渡辺氏にどうして焼き鳥や鶏料理を?とお尋ねするとそう笑いながら答えていただきました。

お店で使用される鶏は全て契約農家にひなから育ててもらったもの。この鶏、押岡地鶏は永来権専用餌と飼育方法で飼育されており、開発から携わられたそう。

この特別な押岡地鶏は現在、永来権(えらごん)でしかいただくことができません。

「宮崎鶏のお店をやっていた頃のノウハウを活かし、串で鶏のおいしさをどう表現できるかを、徹底的に研究しました。」そう話している店主の表情は自信に満ち溢れています。

永来権(えらごん)の焼き鳥とは


永来権の焼き鳥はよくある焼き鳥よりも一切れ一切れが大ぶりになっています。そのためひと串のお肉は2、3切れのものが多いです。

どれもしっかりと鶏肉の旨味が味わえるよう、身の部分により全て最適な火の通りになるようにしっかりと計算された上で最高級の紀州備長炭によって丁寧に焼かれます。

身が大きくなる分、火の通りが難しくなるので繊細な技術が求められますが、その技術に加え、工夫されている秘密があります。それが特注の焼き台。

渡辺寛大氏自ら考案した特注の焼き台が完璧な焼きを実現する

まず大ぶりの身に火を入れるには大量の遠赤外線が不可欠。そこで渡辺寛大氏は既製品の約2倍、18cmの深さの焼き台を制作。これにより一般的な炭の量の1.5倍を使用することができるようになっています。

この大量の上質な遠赤外線で塊肉を焼くようなイメージで遠火と近火を使い分けて各部位を焼き上げるので水分を失わずに、且つしっかりと旨味を閉じ込めた焼きができるというわけです。

その日に永来権(えらごん)で使用する鶏はのべ4〜5日寝かしたもの


永来権で使用される押岡地鶏は先述した専用の鶏農家から丸ごと、そして部位をそれぞれ仕入れ。その両方をのべ4日ほど脱水しながら寝かせ、熟成して使用します。

使用する部位はモモ、手羽、ムネ、振袖(肩肉)、ささみ、せせり、ぼんじり、皮、首など全部で10種類ほど。どれも全て新鮮でありながら旨味が最大まで引き出されています。

そんな押岡地鶏を捌くところを特別に見せていただきました。

あっという間に解体され、捌かれていく丸鶏の様子にびっくりしました。いつもはさらに倍のスピードで行われているというのですからさらに驚きです。

鮮やかな手捌きに見とれていましたが、これを8羽分毎日捌かれていて、さらに仕込みをと考えるととても大変な作業だと感じました。

鶏が全て捌かれ、焼き鳥に使われる部位に分けられたものがこちら。


この状態でも既にお肉の品質の素晴らしさが伝わり、美味しさへの期待が高まるのが本当に素晴らしいですね!

永来権(えらごん)のこだわりの塩、そして醤油

永来権では素材の旨味をシンプルに引き出すことが多いので、焼き鳥には塩が使われることが多いです。

その塩ももちろんこだわりの逸品。宮崎に近い日向灘の高級塩を使用されています。

この塩を選んだ理由は渡辺氏曰く、フランス料理のテロワールの考えと同じように潮風を浴びた餌を食べ、育っている押岡地鶏にはできるだけ地元の塩を使いたいから、とのこと。

醤油は兵庫県のスエヒロ醤油さんの3種類の醤油を使用。こちらも風味高く、焼き鳥や鶏料理のポテンシャルを最大限に引き出すものであることは言うまでもありません。

永来権(えらごん)ではおまかせコースが基本


永来権ではおまかせコース(先付け・焼きもの7種・お口直し2種・鶏スープ)で構成されています。こちらに単品を追加、飲み物を組み合わせるスタイルでお料理をいただきます。

もちろん焼き鳥(焼きもの)が美味しいのはもちろんですが、ぜひ他の一品料理も楽しんでいただきたい。

渡辺氏こだわりの地鶏料理から〆の白湯ラーメン、特製カレー、親子丼、そして土鍋ご飯まで胃袋が二つ、三つ欲しくなりますよ。

飲み物は日本酒もおすすめですが、ワインも人気があり、ソムリエの方がいらっしゃいますのでお好みに合わせた一本と楽しんでみるのも良いでしょう。

永来権(えらごん)のおすすめ前菜・一品料理

※内容は季節・日にちにより変わる可能性があります。

  • 限定 白肝の低温煮
  • ささみの昆布締め
  • 鶏刺身盛り合わせ
  • もも肉のたたき
  • 蒸し鶏 胡麻ソース
  • 万願寺とうがらしと削りたて鰹節
  • 熊本 銀杏炭焼き
  • トマトとじゃこのサラダ
  • 野生クレソンのグリーンサラダ
  • 3種の芋のポテトサラダ
  • 鶏白湯ラーメン
  • チキンカレー
  • ささみ漬け丼
  • 親子丼
  • 鶏と生姜の土鍋ごはん
  • 鶏と松茸の土鍋ごはん

その日永来権(えらごん)でいただいたお料理

永来権さんで実際にコースの一部をいただくことができましたので、ご紹介します!

ささみとアボカドのタルタル


こちらは永来権さんの数ある前菜の中でも人気の一品。鶏のささみとアボカドのタルタルです。

新鮮なささみとアボカドの組み合わせが秀逸なこのお料理ですが、タレもすごいです。味醂と濃口醤油、胡麻、大分産地鶏卵が使われたこのソースは悶絶級のうまさ。

有明産の海苔で巻いていただいてください。

白肝のパテ


見た目も美しいこの白肝のパテは一切の臭みがないとびきりのもの。

トリュフがけと無しが選べますが、筆者は間違いなくトリュフがけをおすすめ。白肝の濃厚な味とトリュフの濃密な香りが相まってたまりません。

これならレバー嫌いの人でもかなり高い確率で美味しくいただけるのではないでしょうか。そう渡辺氏に伝えると「僕も元々レバー得意じゃないんで…笑」とおっしゃっていたと言うのはちょっとしたこぼれ話。

皮でムネ肉を巻いた抱き身


では焼きものです。最初はムネ肉から。永来権では皮を巻いて抱き身でいただくスタイル。

胸肉の淡い旨味、しっとりとした身の食感、それに皮の脂身が合わさって極上の仕上がり。最高級の炭火で最適に仕上げられた胸肉は一切のパサパサ感がなく、あくまでもジューシー。

皮は食感や脂身部分の濃厚さを出すために脱水シートで巻いて熟成してから出しているそう。すごい工夫ですね。

ズリ


こちらは新鮮なズリの部分。新鮮なズリはクセがなく素晴らしい歯応えと旨味が両立しています。

どうしてもズリはお店によっては焼くと固くなってしまうものですが、永来権さんではしっかりと火が芯まで通っていながら全く固くなく、肉汁が溢れる仕上がり。

塩が旨さを最大まで引き出しています。

モモのネギマ


お次はモモの部位を使用したネギマです。こちらも皮が巻かれた抱き身となっています。

先ほどのムネ肉と明らかに肉質の違いを感じます。しっかりとしたお肉の筋繊維を舌と歯で感じながら旨味を味わいます。

永来権さんのお肉の部位ごとへのアプローチ(焼き) の違いでこれほど味わい方が変わるのか!と感心しました。

つくね


焼き鳥ファンなら必ず食べたい、つくね。永来権さんのつくねはそんなつくねファンの方もうなる美味しさです。

毎日ミンサーを使用し、お店でひき肉にしていらっしゃいますが、その際につくねにするのに最適な粗さに仕上げるのにこだわられているそう。

使用される部位は食感と旨味を両立させるため、モモとムネのミンチとのことです。

卵黄とソースに絡めて食べると..いやたまりませんね。醤油の塩気とタレの甘みが最高です。

甘みは玉ねぎとタスマニアのローハニーを使用されているとのことです。

芦屋 永来権(えらごん)のお店情報

いかがだったでしょうか、今回は芦屋にある永来権(えらごん)さんについてご紹介いたしました。

現在超人気店となっており予約が非常に取りにくくなっております。永来権さんに行かれたい場合は2022年12月時点では1、2ヶ月先のご予約となってしまいそうです。

お店はカウンター席と個室が用意されており、全部で15席となっており、全席禁煙です。

店内は非常におしゃれで落ち着いた雰囲気。接待やデート、記念日でのご利用にもぴったりです。

永来権

  • 予算:ディナー:10,000円〜
  • 最寄り:阪神芦屋駅 徒歩4分 JR芦屋 徒歩8分
  • 住所:兵庫県芦屋市大桝町7-9 タイニィー芦屋 1F
  • ディナーのみ:17:30~
  • 日曜日/月曜不定休
  • 電話番号:0797-34-8077 ※現在予約は1-2ヶ月先になります。