【鮨 実紀】芸の心を継ぐ鮨職人の真髄

2020年6月、大阪・北新地の一角に静かに暖簾を掲げた「鮨 実紀」。

そこには凛とした緊張感とぬくもりが共存する8席のカウンター空間が広がる。

若き店主・土井実紀(どい みのき)氏がこの店を開いたのは、コロナ禍の最中、街が静まり返る中での船出だった。

逆風をものともせず、瞬く間に評判を呼び、いまや北新地を代表する鮨店の一つに数えられています。

芝居小屋を営む家庭に生まれ、幼い頃から芸の世界を間近に見て育った。

将来は役者の道を歩むものと思っていたが、中学1年のある日「鮨屋に行く夢」を見たことをきっかけに、運命の歯車が静かに動き出す。

その日を境に、鮨職人への道を志すようになったという。

高校卒業後、本格江戸前寿司「寿司田」で10年間技を磨いた後、さらなる高みを求めて宮崎県の老舗名店「一心鮨光洋」へ。

宮崎で3年間の歳月を過ごし、研鑽を重ねたのち、独立を決意。

選んだのは、かつて自分を可愛がってくれた常連客が多く集った北新地。

「修行時代、北新地という場所で沢山の方に可愛がっていただき、成長して帰って来たかった。」

その想いを胸に、この地での開業を決めた。

「鮨 実紀」のこだわり

シャリに使用するのは、店主の友人が岡山で育てた「ヒノヒカリ」。

その米に合わせるのは、3種の酢と塩、そして自家製の「実紀ハニー」。

春夏秋冬の気候や食材に合わせて微細に配合を変えることで、シャリそのものに季節の移ろいを感じさせる工夫が凝らされています。

炙りに使う炭、日本酒、シャリにブレンドされる蜂蜜までもが、宮崎との縁から生まれている。

それは、修行時代を過ごした宮崎への深い敬意と感謝の気持ちから。

ひとつひとつの背景に、土井氏の人柄が滲みます。

皿にも特別な想いがある。

有田焼の名門「村上玄輝陶房」が制作する、一種類につき10枚しかない希少な逸品。

この皿を見に来る客もいるというほどの美しさだ。

希少な皿は、料理人の美学を際立たせる“舞台装置”として、特別な存在感を放つ。

こだわりの詰まった魅力あふれる「鮨 実紀」のメニューをご紹介しよう。

土鍋のおこげ

シャリを炊いたあとの土鍋に残ったおこげに醤油をひと塗り。醤油とあいまってとても香ばしい。カリっとした食感に、続く料理への期待が高まる。

三重 石鯛 造り

ほんのりと桜色の美しい身は、肉厚で柔らかく、塩で食べるのはもちろん自家製の黄身ぽん酢で食べると、まろやかな口当たりの中にキリッと締りがあり絶品。

長崎 ヤイトガツオ

漁師仕込みの“練りわさび+甘口醤油”という宮崎流の食べ方。肉厚にカットされたヤイトガツオはしっとりとした食感。甘みのある醤油に、たっぷり溶かした練りわさびが「ツン」とくるのがたまらない。

茶碗蒸し

季節を味わえる茶碗蒸しは、実紀の密かな名物。

鮑ととこぶし、ホワイトコーン、ホワイトアスパラと、初夏に相応しい食材を餡にとじこめている。

夏野菜の甘さとシャキッとした食感、そして鮑の肝の味わいが絶品。

こはだ

しっとりと舌に絡みつく、鮮やかな締め加減。

ひと口で一献欲しくなる、まさに「肴になる鮨」。肴として楽しむことができる一貫。

明石 鯛

甘みとこりこりとした食感が絶品。

噛みしめるたびに甘みがあふれ、こりっとした弾力と深い甘み。

境港 本鮪 中トロ

ひと口で溶けて消える、極上の脂と旨味のバランス。
口の中でとろけるという言葉の意味を、体感。

余韻が何とも言えない美味しさ。まさにトロの真髄を味わう究極の一品だ。

車海老

プリッとした身にかじりつくと、甘みがじゅわりと押し寄せる。
あえてサビ抜きで仕立てることで、素材の甘さが引き立つよう工夫されています。

煮穴子

穴子は生きたまま仕入れ、15分以内で柔らかく炊き上げている。

炭で軽く炙ってから供されることで、香りと旨味がふんわりと溶け出す。

雲丹巻き

実紀の名物と言っても過言ではない雲丹巻き。

ムラサキ雲丹を贅沢に1箱使用。

溢れ出る雲丹を一口頬ばれば、まるで夢の中。

濃厚な味わいが口いっぱいに広がり、頬の奥までうっとりするような一貫。

日本酒

宮崎県のお酒の他、鮨と相性の良い日本酒を取り揃えている。

季節ごとに「鮨実紀」ならではのペアリングを堪能してください。

最後に手渡されるのは、シャリにも使われたオリジナル蜂蜜「実紀ハニー」。
ラベルの“ハニー”の文字は、土井氏の母による直筆。家族の温もりと、店の優しさがにじむ小さな贈り物。

その実力は海を越え、香港のテレビ局からも取材を受けるほど。
“若手の台頭”という一言では語りきれない、今大注目の「鮨 実紀」。

土井氏の真摯な姿勢と技術の結晶がここにはあります。

卓越した技術とこだわり抜かれた鮨を、ぜひ一度体験してみてください。

実紀の情報

 • 住所:大阪府大阪市北区曽根崎新地1-2-6 新松リンデンビル1階

 • 最寄り:JR北新地駅 徒歩3分

 • 営業時間:18:00〜 / 20:30〜

 • 定休日:不定休

 • 予算:おまかせコース ¥20,000〜 ※変動あり

 • 予約制:電話予約

 • 電話番号:050-5571-3411

 • 席数 :カウンター8席